特に注意が必要な場合


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特に注意が必要な場合

PM2.5は確かに大気汚染物質ですので吸い込まないに越したことはないのですが、健康な大人の場合にはそれほど神経質になることはありません。健康被害の心配がないとされる基準値も設けられており、毎日各地でどれくらいのPM2.5が飛散しているのかを測定して発表もされているので不安ならば毎日チェックすることもできます。PM2.5は目に見えないほど小さい粒子ですから、なかなか飛散しているという実感を持つのは難しいのですが、偏西風が吹きやすい春から夏にかけてはかなり多くのPM2.5が飛散していることが考えられます。特に注意が必要な場合としては、どんなことが挙げられるでしょうか。

すでに疾患を持つ人

PM2.5の微粒子は、呼吸と共に気管から肺の奥にまで入り込んで、場合によっては血液にまで侵入することもあります。よほどの量でない限り、健康な成人が基準値内のPM2.5を吸ってもすぐに影響が現れるわけではありませんが、すでに呼吸器などに疾患を持つ人は注意が必要です。喘息やアレルギーなどの疾患を持つ場合、PM2.5に限ったことがではないですが、体外から侵入しようとするものに対しては非常に敏感に反応します。その結果、喘息の発作を起こしやすくなったり、咳が出やすくなったりといった症状を引き起こす場合があるのです。こうした疾患を持つ人は、出来るだけ普段からマスクを着用するなどの対策を取るようにしましょう。


子供やお年寄り

子供やお年寄り 子供やお年寄りは、普通の大人に比べるとかなり免疫力などが低くなることがわかっています。そのため、体外からの侵入するものの影響を受けやすい傾向があるので、PM2.5についても特に注意が必要だといえるでしょう。子どもの登下校などは仕方がありませんが、PM2.5が多い日には乳幼児やお年寄りはできるだけ家の中で過ごしたほうが無難かもしれません。特にマスクもできない小さな赤ちゃんは、あまり外に連れ出さないほうが良いでしょう。

特に飛散量が多い日

健康な大人であっても、飛散する量が多いとPM2.5の影響で喉に違和感を覚えたり咳込んだりするものです。そのため、基準値を超える量が飛散する日などは、できるだけ外出を控えるなどの対策をとるようにします。計測を行っている各自治体のHPなどを見れば、基準値とその日の飛散量などが公開されているかと思いますので、こまめに閲覧してみてはいかがでしょうか。また、自治体によっては天気予報のようにPM2.5予報が掲載されている場合もありますし、気象協会などでもHPで予報を公開しています。飛散量が基準値を超えて増えそうな日には、注意報などが発令されることもあるので、十分に注意しておきましょう。

喫煙者とその周囲

喫煙者とその周囲 PM2.5が中国から飛来するというニュースがテレビを賑わせたこともあって、PM2.5は遠くからやってくるようなイメージがあるかもしれませんが、実際には国内からも排出されていますし、最も身近な例でいえばタバコの副流煙には大量のPM2.5が含まれています。喫煙者が集まる会議室などは、大気汚染が激しいと言われる北京を上回るPM2.5だとも言われるほどです。タバコの煙はフィルターを通して吸い込む喫煙者自身よりも、周囲の人が吸う副流煙のほうが何倍も有害物質が含まれているため、喫煙者は周囲にも気を配りながら喫煙するようにしましょう。

建物や植物への影響

人間がPM2.5が多少付着した農作物などを口にしても健康被害を受けることはありませんが、農作物などの植物自体が影響を受けることは考えられます。PM2.5の構成成分には酸性度の高いものが少なくないため、雨に取り込まれて酸性雨を降らせる原因になることもあるのです。もちろん酸性雨は植物だけではなく、建造物などにも影響を及ぼします。建材を腐食させたり、塗装を変色させたりするのはそのためです。こうした建物や植物への影響は、PM2.5の問題においてあまり取り上げられることのない側面であり、特に注意が必要かというと微妙なところもあるのですが、可能性があるということは認識しておいてもよいでしょう。