健康への影響


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健康への影響

健康への影響 PM2.5が及ぼす影響の中でも最も気になるのが健康への影響です。それ以前から日本では季節毎に飛散する花粉でアレルギーを起こす人が多発し、中国内陸部から飛来する黄砂に悩まされてきました。これらの粒子は呼吸と共に体内に吸い込まれて気管支にトラブルを起こしたり、咳や鼻水などのアレルギー症状を起こしたりするため、季節によってはかなりの人がマスクをつけて町を歩いています。そんな中で最近増えてきた微粒子として注目を集めたのがPM2.5です。花粉よりもさらに小さいこの微粒子は、いったい健康にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

気管支への影響

PM2.5が健康に及ぼすものの中でも、最も多いのが気管支への影響です。花粉や黄砂と同じように、呼吸とともに気管に入り込んだPM2.5は異物とみなされて咳が出たり喉に違和感を覚えたりします。しかも、ここで問題となるのはPM2.5が非常に細かい粒であるということです。花粉の1/10ともいわれる微粒子であるPM2.5は、気管どころか花粉や黄砂の届かない肺の奥にまで入り込んでしまい、場合によっては肺から血管にまで到達します。また、粒が小さいPM2.5は、花粉用のマスクでは目が粗すぎてブロックできないのも困ったところで、「PM2.5という体に悪そうなものが飛んでいるらしいから、とりあえずマスクをして外出しよう」といってマスクをしても、その繊維の隙間を通り抜けてしまう可能性もあります。粒の小さいPM2.5は、軽視されがちですが、小さいからこそ体に悪影響を及ぼす可能性もあるのです。健康な成人の場合は、咳き込む程度で済むことが多いのですが、喘息などの気管支疾患を持つ人や、抵抗力の弱い子供やお年寄りは特に注意が必要です。


循環器への影響

循環器への影響 気管支など呼吸器の疾患が主に問題となっている花粉や黄砂に対してPM2.5は循環器にも影響を及ぼすというデータが発表されています。これは、PM2.5そのものが持つ化学物質としての特性によるものと、粒が小さいために体の奥まで入り込みやすいということが理由として考えられます。とはいえ、PM2.5が多い日に外出したからと言って健康な大人が心臓病になるというほどではなく、元から循環器系の疾患を患う人の死亡率がやや高くなるということです。すぐに何らかの症状が現れるというわけではないので、過剰に心配することはありませんが、長期間にわたって高濃度のPM2.5の中で生活した場合のデータなどはまだ未知の段階ですので、出来るだけPM2.5を避けるようにすることは大切です。

ガンへの影響

成分にもよりますがPM2.5の中には発がん性を持つものがあるのではないかと言われています。PM2.5の濃度が高い地域で暮らす人の発がん率が高くなっているためです。アメリカの調査によると、大気中のPM2.5濃度が1立方メートルあたり10μg上昇すると、循環器や呼吸器の疾患による死亡率が9%、肺がんの死亡率が14%増加したというデータが発表されています。同じような調査は各地で行われており、数値に多少の違いはありますが、PM2.5の濃度が高まることで死亡率が上昇するという点では共通しており、はやり健康への影響があることは確かなようです。

目や肌への影響

黄砂や花粉で肌に痒みや湿疹が現れるように、PM2.5によって肌荒れを起こす人もいます。特に、春から夏にかけては花粉や黄砂が多い季節であり、黄砂に付着する形でPM2.5も大量に飛来するため症状を訴える人が多くなります。PM2.5は時期や場所で成分が異なるためその症状も一概には言えませんが、大気汚染を引き起こす化学物質なども含まれていることから、肌には決して良い成分とは言えません。また、粒が小さいとはいえ目に入ったPM2.5は目に異物感を与えたり、眼球やその周囲に痒みを引き起こすこともあります。口や鼻と同じで、粘膜を持つ目は特に微粒子が付着しやすいので注意しましょう。