食品への影響


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食品への影響

汚染物質であるPM2.5は、大気中に漂っているため呼吸すると吸った空気とともに肺の奥にまで入り込んでしまいます。こういったことからPM2.5の健康被害を懸念する声が多いのですが、食品などに付着したPM2.5は体に影響を及ぼすことはないのでしょうか。

農作物への影響

農作物への影響 PM2.5が農作物に及ぼす影響や、PM2.5が付着した農作物を口にしても大丈夫だろうかと心配する人もいますが、これは基本的にはあまり問題はありません。PM2.5は小さな粒子であり確かに農作物に付着することはありますが、特に降り積もって蓄積されていくわけではなく、水で洗えば簡単に落ちるようなものです。農作物への影響を心配する場合、原発事故で注目が高まった放射性物質であるセシウムと同じようなとらえ方で不安になる人が多いのではないかと思いますが、このPM2.5はセシウムとはかなり違いますので心配はいりません。セシウムの場合、水洗いでは十分に取り除くことができなかったり、農作物に付着して体内に取り込んだものが蓄積してしまうといった不安要素がありましたが、PM2.5は洗えば簡単に落ちるので食品に付着して大量に口にするということは考えにくく、食品とともに体内に取り込まれても、基本的には食品と一緒に酵素によって消化されてしまうので全く問題はないのです。また、PM2.5が中国から飛来することから、中国の農薬問題などのイメージで体に悪そうと思う人もいるかもしれませんがPM2.5は農薬とも違いますので、そういった心配は不要です。最近ではPM2.5が付いているから西日本産の食品は買わないという人もおり、そういった風評被害によるダメージも懸念されています。PM2.5の濃度が高いからと言って西日本産の農作物を敬遠する必要はありませんので安心して口にするとよいでしょう。


水への影響

水への影響 PM2.5が多く観測される季節になると、水道水にPM2.5が混入して危険だという人もいますが、これも心配はありません。日本の水道水は世界でもトップクラスの安全性を誇るだけあって、0.001μmの粒子まで除去を行っています。もちろん取水場である川や湖などにはPM2.5が含まれている可能性はありますが、凝集沈殿処理やろ過処理を行って水道水となった段階で2.5μmの粒径をもつPM2.5が残っていることは考えられません。各自治体の水道局ではさらに定期的に水質検査を行い、その結果をHPなどで公表しています。水質が不安だという人はこうした情報もチェックしてみるとよいでしょう。逆に、肌が敏感でPM2.5や黄砂などによって皮膚にアレルギー症状が現れるという人は、外出から帰ったらすぐに水などで洗い流すことをおすすめします。

もともと食品に含まれる成分

実はPM2.5の主成分である硫酸塩や硝酸塩などの無機塩は、私たちが普段口にしている食品の中にも普通に含まれている成分です。これらの成分については、私たちはPM2.5として摂取するよりも自らの意志で口にしている量のほうがよほど多いわけですから、今さら問題にする必要もありませんし、もちろん体への影響は心配ありません。とはいえ、同じ成分でも食品として体に吸収されるのと、呼吸と共に吸い込んで肺から吸収されるのでは全く違い、肺から吸い込んだ場合には呼吸器系の疾患を引き起こすこともあるので注意しましょう。同じ成分でも摂り方によって体に及ぼす影響が異なるというのは大切なポイントです。また、PM2.5といっても成分によって性質や危険性も異なりますので、できれば自治体などの発表はこまめにチェックし、どんな成分がPM2.5に含まれていて、どんなことに気を付ければよいのかは自分で把握しておきましょう。